読書記録 光の帝国 常野物語
今回はもともと持っていた本を読み返し。
恩田陸の 光の帝国 常野物語。
この本は高校生の時に出会い、大学生の頃に改めて読みたいと(そして持っていたいと)思って購買で買ったお気に入りの本。
の割には、社会人になってからは開くことはなく、ずっと本棚の飾りとなっていた本。
今回読み直して、
いくつかの話は懐かしい思いにも浸りながら、
いくつかの話は完全に頭から抜け落ちていて愕然としながら、
結論を知っている物語に、知っているにも関わらず心動かされながら、
一気に読み終え、好みの方の恩田陸の一冊であることを再認識しました。
この作品は、”常野”と呼ばれる様々な能力を持った一族に関わる短編集。
”二つの茶碗”から”黒い塔”の軸も好きだけれど、”光の帝国”から”国道を降りて”の軸も、悲しいけど好きだなぁ。
読み進めてこの世界観を理解し始めると、
1話目の”大きな引き出し”の兄弟の会話の意味が響いてきて、それが実際に暴力の前に散った過去の積み重ねなのだろう、と想像が広がる。
この本のような、短編同士が直接的に繋がっていて、または間接的に繋がりが感じられて、1冊の本の中で時間の積み重なり感じて想像の世界が広がる本は読んでいて楽しい。